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金の性質

金の性質

金は周期表で見ると79番、同族には銀、銅などがいます。オリンピックのメダルと一緒ですね。さて、この金はこうした同族には見られない、面白い性質を色々持っています。金のことをあれこれ話すのをテーマとしてまずはこうした金のさまざまな性質について話していきます。

金色に輝く〜光沢について

金というと、まずは眩いばかりの輝きをイメージする人が多いのではないでしょうか。黄金と例えられるように、黄色に近い色なのですが、独特の光沢があるので、ただの黄色とはまた違って見えます。ところが、この金をすりつぶして、砂金よりももっと小さい粉状にしてしまうと、黒や赤っぽい色、または両者の混じった紫色に見えることがあります。金には青い色を吸収する働きがあるので、反射の加減でこう見えるんですね。

光の三原色

光の三原色光の三原色という言葉はご存知でしょうか。赤、青、緑の三色で、この三色の組み合わせでどんな色でも再現できるのです。この3つの光がほぼ同量であれば白、透明ということになります。太陽光や電気なんかがそうですね。

さて、金は青色だけを吸収して、他の赤と緑は反射します。反射された光だけが人間には見えるので、その二色を組み合わせた黄色に見えるのです。金が黄色というのは青色を吸収する金独特の性質によるものなのです。

叩いて伸ばせ!〜金の展性について

金は、非常に柔らかいので、加工が大変しやすいという特性を持っています。有名な話に金箔がありますね。1グラム程度の金があれば、1メートル四方…畳半畳よりちょっと大きいくらいまで伸ばせてしまいます。その厚さは実に1/10000ミリです。

今は(2007/4月現在)1グラム2600円前後なので、料理に乗せられている金箔なんていくらにもならないんですね。脱線しましたが、金は平面にこれだけ薄く延ばせるわけなので、糸のように細くすることも出来ます。よく豪華な衣装に使われている金糸という奴ですね。

こちらはひたすら伸ばすので、展性ではなく延性といいますが、金はこの延性にも大変優れた金属で、1グラムあれば(糸の太さにもよりますが)2.8キロメートルの金糸が取れます。

永遠の輝き〜金の耐腐食性

ツタンカーメンの黄金のマスクさっき出てきた金箔を他の金属などに貼り付けるのが金メッキ。キラキラ光ってきれい、という以外にも実用性があり、金は他の溶剤に対して高い耐性をもつのです。通常であれば錆びることもないし、腐ることも無いです。

有名なツタンカーメン王のマスクが何千年もの間輝きをうしなっていないのはこうした性質からです。この、徹底的な耐性のため、普通の塩酸、硫酸などでは金を溶かすことが出来ません。金を溶かすには王水(塩酸と硝酸を3:1で混ぜたもの)を使用するしかありません。

これだけ高い耐腐食性を誇るので、金メッキをほどこしておけば長持ちをするというわけですね。ただ金そのものは剥がれやすいので、扱いは丁寧にしなければなりません。


王水以外にも

中世、金を溶かす事はなかなか難しく、ようやく高い効果を発揮する王水がイスラム文化圏から伝わってくるまで、人々は大変苦労をしました。金を溶かすというのも、もったいない気がしますけどね。

さて、濃硫酸やら濃塩酸など、恐ろしげな薬品を使っても、びくともしない金を溶かすことが出来る液体が、王水以外にも発見されました。それは、“ヨードチンキ”です。実はあの喉のお薬でも金は溶けてしまうのです。さすがに王水のようにみるみる溶けることは無いのですが、それでも金箔をヨードチンキに漬け込むと溶けていくのです。金のアクセサリーをつけている方は、喉のお薬にご用心。

金も蒸気になる〜金の沸点と融点について

周期表では金の隣、元素記号80番は水銀です。この水銀はご存知の通り、常温で液体という唯一の金属です。では金が液体になるにはどれだけの温度が必要かというと、約1064度。他の金属では、鉄が1535度、銅が1084度になります。ほぼ銅と同じ温度で解けるので、銅を加工できる技術があれば、金も加工できるということですね。

ちなみに沸点は2856度となります。現在では酸素+アセチレンを使用したバーナーが3330度という温度を達成しているので、その気になれば金を蒸発させることも出来るのです。ちなみに火事などでは金の沸点に達する事はめったにありませんから、金のアクセサリーなんかは(多少ゆがむかもしれませんが)溶け出すような事はまずありません。

携帯電話は宝の山?〜金の伝導性について

携帯電話には金を始めとする貴金属・希少物質が多用されています。これをわざわざ精錬しなおして、貴金属などを回収するビジネスが成り立つくらいです。なぜ、そんなに金が使われているかというと、上記の耐腐食性にあわせて高い電気伝導性が挙げられます。

高級なヘッドホンを購入すると、ピンプラグが金だったりしますね。より電気伝導が高く、クリアに信号を伝えるので、性能がアップするわけです。ヘッドホンならいい音に聞こえるくらいですが、ミクロの世界で性能を争っている携帯電話などの精密機器においては、この信号のクリアさは大変重要なポイントになるため、金が使われるのです。

また、そこまで細く小さくした金属では腐食が進みやすいのですが、金はそちらの耐性も高いので、さらに好都合というわけです。なお、電気だけでなく、温度の伝導性もかなり高いのも金の特徴です。

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