金は、その希少性、美しさ、加工のしやすさ…などなど、実に人間にとって便利な金属で、大事なものです。何回か話したように金はお金として、貨幣経済のおおもとになっているくらいです。では、その金の価値とはどのようなものなのでしょうか? ここでは主に貴金属としての金の価値に迫ってみましょう。

ダイヤモンドは、宝石の王様といえる高価な宝石ですね。しかし、実際はそれほど珍しい鉱石ではありません。元素が炭素であり、合成することも出来るし、埋蔵量もかなりのものになります。ダイヤモンドが価格を維持できているのは、産出・発売を規制して希少性を保持しているだけに過ぎないのです。では、金はどうでしょうか?
まず、過去に多くの錬金術師が試みて失敗したとおり、(実用化レベルで)合成する事はできません。埋蔵量にいたっては地球上の大半を掘りつくしたといわれていますし、その全体の埋蔵量も極端に少ないのです。もしも地球の全ての土を掘り起こして金を搾り出したとしても、その量は20立方メートル程度にしかならないとされています。つまり、金は絶対的な量が少ないのです。
現在、良質の金山を有する南アフリカで1トンの金鉱石を掘り出したとしましょう。それを精錬して取れる金の量は平均3〜5グラム。商売として儲けを出すには最低0,5グラムが出ればいいといいますから、かなり優良といえるでしょう。それにしても1トンから3グラム…。いかに金が希少であるかお分かりでしょうか。
通貨としての金は、他のページでしっかり紹介するつもりですから、ここでは軽く紹介だけしておきます。金は腐食しない、見た目が美しい、意外と掘削精錬が楽(量は少ないですが)といった理由で昔から珍重されてきました。
そして、世界中どこに行っても金は貴重なものという認識があるので、どこでも相応の品物と交換してくれます。それが元で金本位制という金主体の経済文化がおこります。詳しくは後ほど述べますが、通貨としての価値はほかの銀や銅などに比べて格段に高いといえます。
用途についてはあとで紹介しますが、金の用途は装飾品としての他にさまざまなところで 用いられています。その数や、用途の広さは多岐にわたり、中には金でなければならない、代用が効きにくい物もたくさんあります。それなのに金の埋蔵量は極端に少ないわけです。
工業用としても、金の価値はやはり高いものなのです。特に、もっとも金を必要とする最先端エレクトロニクス産業にとって無くてはならないものなのです。
金は柔らかくて加工しやすいのですが、逆に言えば型崩れしやすいともいえます。金塊のように長方形の塊ならとにかく、繊細な細工をほどこすアクセサリーなどでは、かなり困った問題になります。ところが、金は他の金属と混ぜやすいという都合のいい特性を持っているので、他の硬い金属と混ぜ合わせて、合金にすることでその欠点を補えるのです。
よく24金とか18金といった表示を見かけますね。あれは金がどのような割合で混ぜられているのかを表示しているのです。ちなみに英語表記では18kなどと表記されますが、その場合18金ではなく、18カラットと呼びます。よくダイヤモンドの重さをカラットで表記しますが、その場合の表記はct。金の比率の場合はkまたはktなのでお間違えなく。
純金であれば例のごとく黄金色ですが、配合する金属によって色合が変化していきます。よくアクセサリーなどに使われる配合は三種類あり、それぞれ違う金属が配合されています。以下に18金の場合の配合比率を紹介しましょう。
純金は、化学反応が大変起こりにくいという特性があります。さて、人間の汗などには塩分そのほかが含まれていますが、それが金属のアクセサリーと化学反応を起こして皮膚に刺激を与えると、俗に言う金属アレルギーを起こします。
金は反応が起こりにくいためにかなり金属アレルギーを起こしにくい特性がありますが、合金の場合、混ぜた金属によっては、そちらが反応してアレルギーを起こすことがあります。そのせいで、最もその可能性の高いニッケル(1円玉の材料でおなじみですね)を使ったハードホワイトゴールドは、最近ほとんど見られなくなりました。



